父が急におかしくなった。
プーチンがどうとか、殺されるとか言い出した。
せん妄か？認知か？

「ああ、ついにこの時が来たか」と思った。

確証はなかったけどそういう予感は有ったし、最近は父の行動も腑に落ちないことが多かったように思える。

その時はほっといたが、夜にケアマネージャーからキムチに薬を混ぜて食べていたとか、壁と話しているという旨をヘルパーから聞いたと報告があった。

父の様子を見に行ったらリモコンと話をしている。

睡眠薬を多用していたのでその副作用でのせん妄も考えられる。
以前から指定された量を守らないので何度も注意したが、今度は薬を隠すようになり「いいんだよ、ぼけたら施設に入るから」と言うことが多くなった。

せん妄ならしばらくすれば治るはずと思い大人しいこともあり2日ほどそのままにしておいた。
受け答えはかなりはっきりしているが、私たちでは見えないものが見えているらしく、しきりに色々言っていた。

父はこの２日間ほとんど寝ていなくて壁やリモコンと話をしていた。

この晩から父は徘徊するようになった。
防犯カメラを家に前に設置して動きがあるとアラームが鳴るようにセットした。
１０数回アラームが鳴り捕まえに行ったが、父は支離滅裂な事を口走っている。
父は３日間寝ていない気がする。
私は完全徹夜だったｗ

主治医に連絡をして来てもらったが、身体に異変はなく血圧も正常で、急にこうなるのは薬物の影響が強いと思われると言われ、行きつけの心療内科に連絡をと言われた。
時間が遅かったので病院は終わっていたし、このままどこかの病院に緊急で入院させるという手段もあるが、初めての病院では薬も判らないかもしれないということでもう一晩置くことにした。
その夜は３０回を超える徘徊で性も根も尽き果てたという感じだった。

朝７時にケアマネと相談して、心療内科の診察時間に合わせて電話したが、期待した回答は得られなかった・・・・
病院も一人で探すことに・・・
こういう時に、訪問看護の看護士やケアマネや行きつけの心療内科の医師が居るのでは？と思ったがそうではないらしい・・・

さすがに２日丸々寝ていないと堪える物だ・・・

連れや父の友人にいろいろアドバイスを貰ったが、この短時間でいろんな判断が瞬時にできるわけもなく、それはケアマネの仕事でしよ？とかOO病院がその手の治療に～と言われましても・・・・・
今、この時をどう使うかが問題であり時間が掛かれば掛かるほど今日という日が終わるわけで、さすがに今夜は起きていられない状態の訳で、ケアマネの在り方や縁もゆかりもない病院の事を言われてもうわべだけネットで調べただけだよね？
必要なのは今日この瞬間に受け入れてくれる病院なの、良い病院ほど入院待ちの人が多いしね、決まりそうな所があるだけ運がいいのね、これを逃したら今夜は徘徊し放題になる可能性があるのよね、最悪は他人に迷惑をかけるかも知れないし、コンロを空焚きするかも知れない。
安全なのは私が寝落ちする前にどこかに入院させる事。
これ一点につきると思う。

その自分の判断にアドバイスされても責められている気にしかならなかった・・・・

午前中に色々手続きをして入院が決まったのは午後４時過ぎ、５時には病院に来てくださいとの事で肩が痛くて車の運転を控えていたがそうも行かずに車で病院まで移動した。

車の窓から子供のようにあたりを見渡し何か訳のわからないことを言っていたがそれを見て気持ち的に子供を騙してどこかの施設に預ける親のような感じになり眼に涙が浮かんだ。
心の中でどうしても精神病院への入院は親を捨てる事に繋がるという気持ちが捨てられない。
他に方法は？綺麗事では済まない事は重々承知しているし苦渋の決断なのは判るんだよね・・
でも薬が抜けるまでだから・・・

病院で診察してもらい付いた病名がまさかの統合失調症。
本人が入院を拒んだので保護入院になり３か月入院・・・しかも取り合えず。
最近この病院は認知症の病棟も新設したそうで・・・・

ちなみにこの病院は２０年や３０年入院している人がざらにいるのを知っているだけにこれはもう退院出来ないパターンかもと思った・・・・

診察を終えた父は閉鎖病棟の看護士にドナドナされて行ったが、何度も来ている病院なのにその病院すらも理解していなかった事から、たぶん自分がどこに連れて行かれるのか入院するのかも理解していないだろうなと思う。

入院させて病院の駐車場で考える・・・・
最善？と思うが何か心が受け付けない部分もあるんだよね・・・
訪問看護士に「何か手はないか？」と聞いたら。
「徘徊させて警察を呼んだ家族」や「徘徊させて転んで入院させた家族」の話を聞いた・・・
具体例で察した・・・

コロナの政策でも思うのだが、子供の未来は大事だと思う、でも未来を作ってこの道を切り開いた今の高齢者には日本は優しくはないと感じる。
子供の未来　なんて素晴らしいうたい文句なんだろう・・・
何かを犠牲にした未来はそう長くは続かないものなのだよ・・・
そういう私も正論を言って父を犠牲にしてるのだろうねぇ・・・
でも仕方ないよね？でもさ～・・・
と葛藤の繰り返し。
結局は何かを犠牲にすることで何かを得るんですよね。
ただ、誰かを不幸にして得る幸福はないと思いたいです。

父が入院して２週間、いまだに病院にいる事すら理解してないらしいですが凄く大らかに暮らしているそうです。
保護房にいる父を見たくないので面会は控えてます。

毎日運動をして足腰を鍛える。
薬は処方通りに飲む。

これだけで退院できるか出来ないかが決まります。
高齢者の方は治療の過程で筋肉が数週間～数か月で衰えてしまい歩行が出来なくなる人が多いそうです、処方以上の薬の使用がトリガーになり意識障害や記憶障害も起こします。
筋肉が衰えると動かなくなり食欲も減退します、咀嚼する筋肉も衰え結果　体力もなくなります。

例え自業自得とはいえ、施設に入れるのは残された者です。
その悲しい決断を自分の愛する家族にさせないで下さい。

上の二行が本音かな。

父の部屋の整理をしました、とても奇麗になりましたが私は今の所に住んでます。
父が帰ってくることを少しだけ期待してます。

連れは父の病院に毎週洗濯物を取りに付き合ってくれています。
気が立って絡んでくる私を優しく包んでくれないで厳しくいなしてくれてますｗ
この連れで良かったなと思いながら正座して怒られてます・・・・
心ではまだ割り切れてない部分が有るけれど一人で泣けば心は少し楽になります、寝れば記憶は薄れます、身近に誰か居てくれれば励みになります。
もし父が犠牲ならば、私はその犠牲で大きな物を得ようではないか！父の屍を超えて行け！的な・・・
私ら残された者の為に施設でエンジョイしておくれ！面会には時々気が向いたら行く
と思えるくらいになりたいな・・・

無理ですね・・・・ｗ